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先輩「この会社、ブラックだな」後輩「今更ですよそれ」

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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 20:46:58.63 ID:BBuJMMpb0
後輩「まだ仕事終わらないんですか」

先輩「なんでだろうな」

後輩「なんででしょうね」


先輩「もう帰っていい?」

後輩「止めませんけど、明日が大変ですよ?」

先輩「…やるかぁ」

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 20:48:48.51 ID:BBuJMMpb0

*

後輩「コーヒーでもどうぞ」スッ

先輩「さんきゅー。ゴク……苦っ」

後輩「すみません、そっち私のでした」

先輩「おっぱい揉むぞコラ」

後輩「セクハラで訴えますよ」

先輩「……早くそっち渡せ」

後輩「どうぞ」スッ

先輩「ったく、何度このやり取りを……けほ…苦っ」

後輩「すみません、そっちもブラックです」

先輩「先に言え」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 20:50:45.13 ID:BBuJMMpb0
後輩「言おうと思ってたんですけどね~。お砂糖どうぞ」スッ

先輩「ん。……あぁ。美味い」フゥ

後輩「先輩ブラック飲めないんですね」

先輩「何度も飲めないって言ってるのに、お前はブラックを差し出してくるよな」

後輩「いい加減気づきましょうよ」

後輩「この会社の様に、先輩にはブラックがお似合いってことですよ」

先輩「誰が上手いこと言えと」

後輩「……はぁ」

先輩「……ふぅ」



先輩「今日も徹夜でバグ潰しか……」ズーン

後輩「私なんて、明後日までにこの量のモデリング終わらせなきゃなんですよ……」スッ

後輩「夢見てゲーム会社入ったらこの有様です」

先輩「世知辛ぇ……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 20:55:11.05 ID:BBuJMMpb0

*

先輩「そういや、何で後輩は俺しかいないこんな場所で作業してるんだ?」

先輩「キャラデザって隣じゃなかったっけ――――あっ」ハッ

先輩「後輩、俺はお前の味方だからな……」ポン

後輩「ハブられた訳じゃないです」

先輩「まさか俺のこと…!?」ドキッ

後輩「好きでも無いです。あといちいち反応がキモいですよ」

後輩「隣、狭くて三人分のスペースしか無いんです」

後輩「なので一番下の私が…って感じですね」

先輩「もうボッチじゃなくなったんだな」

後輩「お陰様で、ね」

後輩「それより先輩こそ、何故こちらに?」

先輩「ハブられた。おめーの席ねぇからって…」

後輩「ですよね」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 20:57:13.44 ID:BBuJMMpb0
先輩「ですよねってなんだよ」

後輩「なるべくしてこうなったと言いますか」

先輩「良いもん。あんまり人が居ない場所の方が集中して出来るし!」

後輩「集中力乱れまくってませんか?」

先輩「そんなエロい体してる後輩が悪い」

後輩「……ヘンタイ」

先輩「これからも俺のストレス発散の為にセクハラされてくれ」

後輩「最低ですね。彼女とかいないんでしょうねきっと」

先輩「失礼な」

後輩「いるんですか?」

先輩「…いないけど」

後輩「ですよね」

先輩「なにこの後輩、腹立つわ~」

後輩「これからも私のストレス発散の為にイジられてくださいね」ニコッ

先輩「……ヘンタイ」

後輩「私の真似しないでください」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 20:59:36.31 ID:BBuJMMpb0

*

先輩「終わんねぇ…バグ潰したと思ったら違う所がって無限ループしてる」

後輩「大変そうですねぇ~」

先輩「こいつ他人事みたいに…」

後輩「他人事ですからね」

先輩「言っとくけどな、俺らがこうやってしないとゲームにならないんだぜ?」

後輩「そうですよ。だからちゃんとお願いします」

後輩「苦労と愛を込めて作り上げたものが、クソゲー呼ばわりされるのは嫌ですから」

先輩「妙案を思いついた!」

後輩「早くバグ潰してくださいよ」

先輩「まぁ待て、焦ってもバグは潰れんぞ?」

後輩「先輩が手を止めなければ潰れます」

先輩「このバグさ、仕様として入れたら良いんじゃないか…?」ゴクリ

後輩「良い訳ないじゃないですか」

先輩「『えっ?これ明らかに不具合のバグだよね?』…いいえ、仕様です」キリッ

先輩「ほら!乗り切れる!」

後輩「ちなみにどんな感じなんです?」

先輩「ボス戦前にパーティ変更しようとするとフリーズするバグ」

後輩「致命的で、クソゲー待ったなしですねそれ」

先輩「だよねぇ~…はぁ……」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:02:02.17 ID:BBuJMMpb0

*

先輩「おっぱいにはさ、無限の可能性を感じるんだ」

後輩「急にどうしました?」

先輩「俺は後輩のおっぱいに夢と希望が詰まってると思う」

後輩「そうなんですか」

先輩「俺にも夢と希望を分けてくれないか?」

後輩「どうやって?」

先輩「揉んで」

後輩「触りたいだけですよね?」

先輩「そうとも言う」

後輩「そうとしか言わないですよ」

先輩「この煉獄の闇に染まりかけている俺に希望の光を……」

後輩 (時間は、深夜1時過ぎ…)チラ

後輩「深夜は変なテンションになるのは構いませんが、私に絡んでこないでくれますか」

後輩「それでは、私はそろそろ寝ますので。お静かにお願いしますね」ゴソゴソ

先輩「休憩室で寝ろよ」

後輩「この為にわざわざ寝袋を買ったんで遠慮しておきます」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:04:19.30 ID:BBuJMMpb0
後輩「それに、他人が入ってくるかもしれない、という緊張で落ち着かないんですよ」

先輩「俺は?」

後輩「先輩は別に」スルスルッ…

先輩「あぁ、そ…。てか、何度も言うが下着姿のまま寝るなよ。俺居るんだぞ」

後輩「私を襲ったりしますか?」

先輩「襲わねーよ」

後輩「なら良いじゃないですか」

後輩「寝る時は下着のみと決めているんです」モゾモゾ

先輩「じゃあ襲っちゃおうかな~」

先輩「男の前で下着姿になるってことは、いいんだろ?」

後輩「ではどうぞ」

先輩「えっ」

後輩「どうしたんですか。ほら、はやく」

先輩「いや、そのぅ……」

後輩「……いくじなし」ボソ


後輩「ふあ…ぁ……。おやすみなさい」zzZ

先輩「……おやすみ」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:06:13.28 ID:BBuJMMpb0

*

後輩「ひゃっ」ビクッ

先輩「朝だぞ。コーヒーの冷たさはどうだ」

後輩「首に当てないでくださいよ…。あとせめてホットでお願いします」

後輩「う”ぅ”…急に起こされたから頭痛い……」

後輩「アラームかけてるので、別に起こさなくても…」

先輩「それを起こすのが楽しいんじゃないか」

後輩「趣味悪っ。このクズをはやくどうにかしないと……」

先輩「寝起きの性格が悪すぎるな」

先輩「あーそれと、これ」スッ

後輩「なんです…?」

先輩「お前んとこのヘッドから渡された」

後輩「リーダーですか。ん~…げっ。一昨日渡したの全部やり直し……」

先輩「安心しろ。俺も増えてるから」

後輩「不安しか感じませんね…」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:09:58.79 ID:BBuJMMpb0

*

後輩 (はぁ…昨日は疲れた)

後輩 (やっぱりここで寝るより、家の布団の方が疲れは取れるなぁ…)スタスタ

後輩「おはよ~ございま~す」

後輩「…って、先輩まだ来てないじゃん」チラ

後輩「来てないというより、居るけど席を離れてるだけかぁ……ん?」

後輩「スマホにメッセージが。10分前……」

  先輩
【社員証をデスクに忘れたから助けて\(^o^)/】

後輩「……」ススッ

 後輩
【m9(^Д^)<プギャー】

後輩「よし、おっけー。仕事しよっ」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:12:29.11 ID:BBuJMMpb0

*

先輩「おいこら!なんで持ってきてくれないの!?」

先輩「入るのにすんごい手間かかったわ!」

後輩「メッセージに気がつきませんでした」

先輩「気づいてたじゃん!思いっきりプギャーって返してたじゃん!」

後輩「もしや…もう一つの私の人格が勝手に…?」

先輩「えっ、そんな」

後輩「う”っ……ククッ。ようやく抑え込めたか……」ニヤリ

先輩「お、お前は一体!?」

「あんたら何してんの…?」

後輩「ひゃあぁぁぁーっっ!///」ガタッ

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:18:04.04 ID:BBuJMMpb0

*

「様子見に来たら、私はお邪魔だったかね?」

先輩「お邪魔でしたよ、不良ちゃん」

後輩「お疲れ様です……///。金髪さん」

金髪「私は不良だから染めてるワケじゃ無いって、何度言ったら…」

金髪「それで。後輩は進捗どう?」

後輩「先輩から先程アドバイスを頂いたので、もう少しで完成します。その後に見せに行こうかなと」

金髪「ほ~。こいつがアドバイスねぇ」

先輩「なんだよ」

金髪「いんや~なーんにもっ」ニヤニヤ

金髪「邪魔して悪かったね。じゃ、後輩。完成したら持ってきてね」スタスタ

後輩「はい」


後輩「……前から思っていたんですが、先輩と金髪さんはどういうご関係なんです…?」

先輩「同僚。それ以上でも以下でもない」

後輩「金髪さんって私達のリーダーなんですけど、その方と同僚って……」

後輩「もしかして、先輩って結構上の人なんですか…?」

先輩「かもしれない。お前の先輩だからな」

後輩「こうもオーラが違うものなんですね……」

先輩「上の人と知って、尚この言い分。失礼なやつだな」

後輩「先輩は先輩って感じがしませんよね」

先輩「……おい。俺は緊張させないように、ワザと砕けた態度でお前と接している」

先輩「だからってあんまり調子に乗るなよ。本来なら―――

後輩「……ぐす」ポロ

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:22:14.75 ID:BBuJMMpb0
先輩「ちょ、えぇ!?」

後輩「…ヒック……しゅみませんでした……」ポロ

先輩「え、あっ……えと…ごめんウソウソ!」

後輩「本当ですか…?」グス

先輩「本当本当!冗談だって!」

後輩「……な”ん”で嘘つくんですかっ」

後輩「ちょっと……ぐす…。信じちゃったじゃないですか…!」

先輩「ごめん昼飯奢るからゆるちて!」><

後輩「……ぷんぷんですよまったく。ステーキでも食べに行きましょうか。一番高いやつ」

先輩「今月ピンチだから控えめに頼む……」

後輩「またギリギリの生活してるんですか?」

先輩「そう言う後輩は、今月も余裕そうだな」

後輩「むしろ余裕を持って生活するのが普通なんですよ」

先輩「結婚してくれない?」

後輩「……はい?」

先輩「管理とかキッチリしてそうだし、色々と全部任せたいわ」

後輩「そんな都合の良い様に扱われるなら、私じゃなくてもいいんじゃないですか」

先輩「……俺と結婚してくれる候補が後輩しかいない」

後輩「いや私もしませんよ」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/17(金) 21:35:13.31 ID:NJl7ZC1wO
羨ましい…
こんな人付き合いしたい…
20: ◆wD7mbiuOHw 2017/02/18(土) 21:37:07.54 ID:7kmor9CR0

*

後輩「コーヒーどうぞ」コト

先輩「さんきゅ。……苦っ」

先輩「またかよ、変えてくれ」

後輩「仕方が無いですねぇ」

金髪「ちゃ~す…って、あんたらまたやってんの」

先輩「金髪からも言ってやってくれ。カナリの頻度でされるんだ」

金髪「ふ~ん?」

金髪「そのブラックコーヒー、後輩が飲むの?」

後輩「ええ。勿体無いですし、私はブラック好きなので」

金髪「へぇ…」ジー

後輩「な、なんですか」

金髪 (確信犯かどうかわかんないなぁ)

21: ◆wD7mbiuOHw 2017/02/18(土) 21:40:38.36 ID:7kmor9CR0

*

先輩「コーヒーと言えばさ、この前ウインナーコーヒーを飲んだんだよ」

先輩「いやー、まさか予想以上に美味しくてビックらこいた」

金髪「アレは豪華なコーヒーって感じだよね」

後輩「豪華…なんですかね?」

先輩「後輩ってウインナーコーヒーは好きか?」

後輩「えっ…とぉ……」

後輩 (ウインナー…コーヒー??)

後輩 (ウインナーって、あの?)

後輩「き、金髪さんは飲めるんですか?」

金髪「私も割と好きだよ」

後輩 (変人な先輩だけならともかく、金髪さんまで好きとなると、やはりそういう飲み方を…?)

後輩「そう…なんですか。私はあんまり、ですかね」アセアセ

先輩「そうか。まあブラック飲むくらいだし甘いのはって感じか」

後輩「甘いと言うより、脂っこいのでは?」

金髪「えっ」

先輩「えっ」

後輩「えっ」

23: ◆wD7mbiuOHw 2017/02/18(土) 21:44:59.28 ID:7kmor9CR0
先輩 (脂……あぁ、生クリームのことか。確かに脂肪分が多いな)

先輩「そうだな、脂が多いから女性はちょっと飲み辛いよな」

後輩「ちょっとどころか、固形物と一緒なんてめちゃくちゃ飲み辛いですよ」

先輩「こ、固形物…?」

金髪「……」

先輩 (固形物……見方によっては生クリームも固形物になるのか)

先輩「飲み辛くはあるかもな。俺も混ぜるかそのまま食べるか迷ったわ」

後輩「混ぜるとは…全体的に?」

先輩「そうなるだろう」

後輩「美味しいのですかね、それ」

先輩「あ、後輩はそのまま食べるタイプ?」

後輩「そのまましか食べれなくないですか?」

先輩「そうかな。混ぜても美味しそうだけど」

後輩「まぁ……混ぜても構いませんが、どっちにしろ変わらないですよね」

先輩「あ~、確かに(味は)変わらないだろうな」

後輩「ですよね。(形状は)変わりませんよね」

金髪 (生クリーム混ぜたら味は変わるでしょ。アホか)

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/18(土) 21:47:45.25 ID:7kmor9CR0
金髪「……ねぇ、後輩」

後輩「はい」

金髪「後輩は焼いたのと茹でたの、どっち派?」

後輩「迷いますが、私はボイル派ですかね」

金髪 (あぁ……)

先輩「ウインナーコーヒーにボイル…?一体どんな製法なんだ……」

金髪「後輩、ちょっとコーヒーのおかわり淹れに行こうか」グイッ

後輩「…? 構いませんが…」

先輩「ついでに俺のもお願い」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/18(土) 21:52:23.53 ID:7kmor9CR0

――

金髪「ここまで来ればいいかな…」

金髪「後輩。ウインナーコーヒーってどんなのか教えて」

後輩「どんなのと聞かれましても。ウインナーをそのまんまスプーン代わりに、コーヒーに突っ込んだやつですよね?」

後輩「まさかお二人が珍妙な飲み方をされるとは思いませんでしたが…」

金髪「……後輩ちゃん、ウインナーコーヒーってのはね、上にホイップクリームを乗せたコーヒーの事なんだ」ポン

後輩「へ…?ホイップクリーム?」

金髪「うん。正確にはウィンナーコーヒーって言うんだけど…」

後輩「ウィンナー…コーヒー……」

金髪「……」



後輩「っっ…///」ボンッ

金髪「黙っといてあげるから、アイツの話には適当に合わしときな」

後輩「…ひゃい」ウツムキ

――

先輩「随分と遅かったな。何かあったか?」

金髪「ガールズトークしてただけよ」

後輩「…そうでしゅね……///」

先輩「とうした、耳真っ赤だぞ」

後輩「……うぅ///」カァァ

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/18(土) 21:58:29.07 ID:7kmor9CR0

*

後輩「先輩、今日飲みに行きましょうよ」

先輩「やだ」

後輩「何故ですか。こんなにも可愛い後輩が誘っているというのに」

先輩「お前は外で酒飲んじゃダメなタイプだよ」

後輩「私、お酒は強いですよ?」

先輩「強いだろうな。でもそれは飽くまで一般人と比べて、だ」

先輩「絶対に酔わない、なんてことは無いだろ?」

後輩「うーん、酔った記憶は無いんですけどねぇ」

先輩「違う。酔った‘‘時’’の記憶が無いだけだ」

先輩「酔うまでは確かに、結構かかるみたいだから強いと言える」

先輩「でもな、一定のラインを超えて酒を摂取したお前はヤバイ。主に絡みがな」

先輩「例えば4日前、飲みに行った時のこと最後まで思い出せるか?」

後輩「……はて? 先輩どうしましょう。途中からの記憶が喪失しています…」

先輩「それぐらいやべぇってことだよ」


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